背筋を正して筆に墨をふくませると、適度な緊張感が心を伝います。
真っ白な紙に向き合うたびに、無心になれる。
そして深く、静かに自分を見つめる時間。
お稽古を通じて得られるものは「向上心の燃焼」と小さな幸福感でしょうか。
どんなに上手なひとでも一枚だけ書いて終わらせることはありません。
だれもが目の前の一枚に集中し、 自己の可能性を追求し、研鑽努力を続けます。
その心持ちは世代を超えて共感できるものであり、「書」は生涯のパートナーになります。
・ならう
お手本の丸写しではなく書き方を大切に指導します。 文字は線と線の交わりで出来ているので、一点一画が大事です。 毛筆の特性や筆順/字形を学び、お稽古の最後には今日の一枚を一緒に選びます。
・調う
仕事や家事、スマートフォンから少し離れて目の前のことに集中。 墨を磨り筆を持つ、それは日常から解放された特別な時間です。 心は徐々に落ち着き、自然と自分に向き合います。
・憩う
生徒も講師もお互いを尊重する空間です。 墨の香りに癒されながら伝統文化を学び、心の修養に努めていきましょう。 時には近隣のお店で楽しい時間を過ごすこともあります。
自己の可能性を追求し、筆をとり、背筋を伸ばして真っ白な紙に向き合う。その時間が何物にも代え難い喜びとなっていけば、私たちも幸せに思います。