柳川ビルクリニック歯科 柳川 明宏 院長 AKIHIRO YANAGAWA
神奈川歯科大学卒業。東京歯科大学大学院修了(歯科補綴学)。1996年に『柳川ビルクリニック歯科』を開院( 各線「横浜駅」から徒歩6分)
神奈川歯科大学卒業。東京歯科大学大学院修了(歯科補綴学)。1996年に『柳川ビルクリニック歯科』を開院( 各線「横浜駅」から徒歩6分)
当院は80年以上にわたり、この地で診療を続けてきました。祖母が、そして母が続けてきた家業を継ぐといった感覚だったでしょうか。実際に歯科医師になってみますと、自分に合っていたのかなと思います。この職業は「儲けたい」ということが先になったり、柱になってしまうと逆に大変だと思うのです。利他の精神のようなものが大事だと思います。
大学卒業後は東京歯科大学大学院で補綴学を専攻しました。補綴の中でもクラウンブリッジを学んだのですが、当時、クラウンブリッジが比較的新しいものだったことに惹かれたのかもしれません。日本の歯科は“入れ歯屋さん”から始まっていると言われています。それゆえ、諸外国とは異なり、日本では医科と歯科が分かれてしまっているのです。その影響もあってか、日本の歯科医はお口だけを診る傾向があります。かく言う私もずっとそうでしたが、近年になってようやく、違う見方ができるようになってきました。
補綴の専門医として、義歯(入れ歯)は得意分野といって差し支えないと思います。良い入れ歯とは、ご本人に合ってるかどうか、です。審美的にも機能的にも調和している。それが一言で言えば、良い入れ歯ということになるでしょう。これは、あらゆる治療に共通することですが、大事なのは、その方にとって何が幸せか、ということで価値観は人それぞれです。その方が望んでいないのに自費治療を勧めても、それは迷惑なだけです。何を求めておられるか、具体的にどんな治療をどのくらいの費用で希望されているかを共通の理解とした上で治療へと進んでいきます。
人は必ず死を迎えます。見方を変えれば、そこに向かって人は進んでいくわけですけども、ガクンと行かず、いかにソフトランディングしていくか、ということも医療人として考えなければいけないことでしょう。
今も週に1回、訪問している老人保健施設があります。初めてそこを訪れた時に施設長さんに言われたのが、「全員に入れ歯を作ってください」ということでした。入れ歯で寝たきりを無しにするという意図だったと思うのですが、私も若かったですし、「それはいいこと」と思い、入れ歯をお作りしたのです。ただ、実際のところ、老人ホームでは食事の形態も選べますし、入れ歯がなくても食事は可能なのです。そもそも20年間入れ歯無しで過ごせてきた人に「入れ歯を入れて」と頼んでも、それは無理な注文でした。
歯を残していくのは、歯科医師の使命であり役割です。ただ、近年、歯周病などによって歯を失うのは、治ゆの一過程であるかもしれないと。それが極端な考えとわかっていますが。ここでも、自分の“正しい”を押し付けないことが大事なのだと思います。
冒頭、お口だけに着目するのは正解ではないかもしれない、というお話をしました。例えば、お口のトラブルには自律神経の乱れがあると指摘されてきていますし、最近では腸内環境の乱れも大きく影響すると言われています。さて、一般に歯科医院では、抜歯直後などに腫れたりすると、抗生物質を処方します。とは言え、抗生物質が腸内の環境に悪影響をもたらすのは自明のことであり、できる限り処方を避けるようにしております。もちろん、どうしようもなく腫れたり、痛みがある方は別ですが。
お口だけを取り出して考えるのではなく、私たちは患者さんの身体全体について考えを及ぼすべきなのでしょう。
『柳川ビルクリニック歯科』は80年以上、地域に根ざしている歯科医院です。治療の内容はもちろんのこと、費用面についても、押し付けではない、1人ひとりの方に合った治療を提供しておりますので、どうぞ安心してご来院ください。
※上記記事は2023年9月に取材したものです。
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