TASU MUFFIN(タスマフィン) 阿津澤 明子 代表・店長 AKIKO ATSUZAWA
いくつかのイタリアンレストランでコックとして修行を積む。バール文化に心惹かれ、カフェでも修行を積んだ後、2016年「TASU MUFFIN」をオープン。(京急戸部駅から徒歩5分、相鉄線平沼橋駅から徒歩10分)
いくつかのイタリアンレストランでコックとして修行を積む。バール文化に心惹かれ、カフェでも修行を積んだ後、2016年「TASU MUFFIN」をオープン。(京急戸部駅から徒歩5分、相鉄線平沼橋駅から徒歩10分)
20代の頃は主にイタリアンレストランのコックをやっていました。そうした中で、だんだんとイタリアにあるカフェとバーを合わせたような存在であるバールに心惹かれるようになってきたんです。朝とか昼にコーヒーを飲んでちょっと甘いものをつまんで休憩する場をいつか自分も作れたらいいなと。自分的なバールづくりを想いながら、イタリアンレストランを転々と修行した後に、カフェでも働くようになりました。
カフェで働くようになってから「焼菓子」というものに惹かれるようになりました。焼菓子といってもたくさんの種類がありますが、とりわけ私が魅力を感じたのが「マフィン」でした。型からはみ出そうなくらいぷっくりとふくらんだ、あのキノコのようなフォルムが可愛らしかったし、いろんな具材やフレーバーでメニューは無限に広がります。メニューのアイディアは、今までのコックの経験を活かすことができました。もはやイタリアンとはかけ離れてしまいましたが、いつしか「マフィン屋」をやりたいと思うようになっていました。
朝、マフィンを焼いて、オープン後はカフェの営業。という流れなら一人でもオペレーションしやすいと思ったのも理由の一つです。それからはひたすらマフィンの試作を繰り返す日々でした。マフィンに関しては完全な独学でしたが、一般的なレシピの砂糖の量は多過ぎるのではと思い、自分が美味しいと思うラインのギリギリまで砂糖を減らし、食べ疲れしない自分なりのレシピに辿り着きました。
この地域に根ざしてやっていると、やはりお客様の人生のその時々を感じられることがあります。90歳くらいのお洒落なマダムがうちのお店を気に入って通ってくださっていたのですが、来られなくなってある日ふと寂しく感じたり。オープン当初は妊婦さんだったお客様がご出産され、赤ちゃんと一緒に来られるようになって、そのお子さんも大きくなって小学生になって・・・と時の経過を感じます。お客様のその時々から、開店してから年月の経過をふと感じることがありますね。それぞれの「ひとり時間」に利用してくださるご夫婦もいらっしゃいますが、お互いがお店でばったり会うこともしょっちゅう。そうして、それぞれが自然体でお店にお過ごしいただけるのが嬉しいですね。お子様の習い事の送迎の合間や、バスの待ち時間など、ちょっとした隙間時間に寄ってくださるお客様も多いです。私は結構話すのが好きなので、お客様とお話させていただくこともあり、そのお客様がちょっと話すことで、その日の気持ちが晴れることがあれば嬉しいですね。
私がお店を出すときに、コーヒーは自分自身が美味しいと思えるコーヒー豆でお出ししたいと思いました。東京で勤めていたときに色々なコーヒーを各店舗で飲み歩いてみて、とりわけ美味しいと思った東京・西小山の「GLOBECOFFEE」さんの豆を使用しています。いくつかの条件をクリアした「スペシャリティコーヒー」をハンドドリップで一杯一杯お淹れしています。
なんとなくお店が気になって、外からじっと見られて帰られる方も結構いらっしゃいます(笑)。そうして何回かのぞいてみて、ある日ふっと入ってくださる方も多いですね。そんなにカッコつけたお店ではないので、気軽に入ってくだされば嬉しいです。コーヒー1杯だけでも、マフィン1つだけでも良いんです。私はこの地域の気取らないレトロなところが大好きで、お客様もすごくいい方が多く、地域の人の繋がりも本当にありがたいなと思っています。マフィンは早く売り切れる日もありますが、どうぞ足をお運びください。
※上記記事は2024年3月に取材したものです。
時間の経過による変化があることをご了承ください。
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