磯村 治男 院長（いそむら歯科医院)のインタビュー

北海道の無医村地区での開業から地元に

当初は歯科医になるつもりはなかったんです。理工系の大学に通っていて、卒業後の就職先も決まっていんですけど、そのタイミングで父親をがんで亡くし、両親が横浜で営んでいた洋品店を継ぐことになったんですね。そうこうしているうちに、とある出会いから「北海道の無医村地区で歯科医を育てたいからやってみないか」と声をかけられて。自分もチャレンジングなことは好きだったので、やってみようかなと翌年改めて歯学部に入りました。その後、北海道の無医村地区で歯科医として開業。北海道には25年くらいいたのかな。自分がそこでできることはやりつくしたし、今度は地元に貢献したいなと両親が洋品店を営んでいた場所に「いそむら歯科医院」を開院しました。

北海道では無医村地区ということもあり、全て自分で対応しなくてはいけない環境でした。当時は1日50人くらいの患者さんを診ていたんですよ。今思うとびっくりしますが、当時の経験が活きているなと感じることも多いですね。

患者からの言葉がモチベーションに

振り返ると人生いろいろあるなと思っていますが、一度歯科医をやめようかなと思ったこともありました。でも、あるパーティーで出逢った占い師さんに「歯科医は天職だから辞めたらダメだ」と言われて。その先生には20歳くらいのときにも「数年後に人生を変える出会いがあるから、その話には絶対にのりなさい」と言われたんですよね。ちょうど北海道への話をもらう前のことだったので、人生の転換期にはその先生の言葉を思い出します。「貴方の天職だ」というその言葉で、今まで頑張ってきたので、患者さんから「ありがとう」「先生に出会えてよかった」と言われるのが一番うれしいし、今もそれが自分のモチベーションになっています。

頼っていただけるのがうれしい

横浜へ転居して開院してから2024年で10周年を迎えます。一人ひとり患者さんに丁寧に向き合うことを積み重ねた結果、最近では皆さんに頼っていただけるような歯科医になれているのかなと思うことが増えてきました。患者さんから「悩みを聞いてほしい」「話していると安心感がある」と言われることもありますし、高齢の患者さんには「私たちが死ぬまでは頑張って歯医者でいて」とお願いされることも。そういった信頼をいただけていることが今はとてもうれしいです。紹介やセカンドオピニオンでいらっしゃる方も多いですね。「こんなに話を聞いてもらえたのは初めて」と感動される方もいます。とにかくお話を聞こうと心がけているのが、皆さんの信頼につながってえいるように思います。

治療は口腔内を整えることから

当院では、どんな治療もまずは口腔内の環境を整えることから始めます。インプラントをご希望される方でも、まずは口腔内の状態をチェックしてから。初診の方でインプラントをご希望されても「じゃあ、来週インプラントね」ということはありません。むし歯や歯周病に関しても同じです。歯並びや噛み合わせなど、お口のなかをしっかりとチェックし、トラブルの原因を洗い出す。そのうえでの治療は、長くよい状態を保つことにもつながります。また、歯周病などで出血があるとホワイトニングの薬剤の効果が弱くなってしまうので、ホワイトニングも口腔内を整えてから行います。そこがホワイトニングサロンと医療ホワイトニングとの違いです。

そのほか、マイクロスコープを活用した根管治療にも注力しています。根の治療は正直大変なものもありますが、今のところ保険外で治療するつもりはありません。インプラントなどと違い、根管治療はすごく細かい作業。回数が多くかかってしまうこともありますから。自分自身、細かい作業が好き、ということもありますが、やっぱり患者さんの痛みを取り除いたり、歯の調子がよくなったりするとうれしいんですよね。

お口の健康は長生きにつながる

1970年頃の歯医者さんは「痛くなったらまた来てね！」と言っていました。今は高齢の方もお口のケアは大事だと気付いてくれるようになってきました。むし歯や歯周病は再治療になってしまうリスクが高いので、歯科医での定期健診、プロフェッショナルなケアだけでなく、患者様ご自身が主治医である意識を持ちセルフケアも必要です。お口の健康は長生きにつながる重要な要素ですから、痛みがなくても一度ご相談に来ていただけたらと思います。2023年9月からは、口腔マッサージや顔周りの筋肉へのマッサージといったリップエステ、デンタルエステもメニューに加わりました。血液やリンパの流れがよくなり、健康的な歯肉やフェイスラインの引き上がりに効果が期待できるものです。ドライマウスや歯ぎしり、肩こりにお悩みの方にもおすすめしています。

※上記記事は2023年11月に取材したものです。
時間の経過による変化があることをご了承ください。