岡田 とし江 院長 ＆ 　岡田 征彦 副院長（岡田歯科医院)のインタビュー

3代目と4代目がタッグを組む地域密着の歯科医院

歯科医になったのは、父の薦めでした。父は慶応の経済学部出身で医学系ではありませんでしたが、女性にも手に職、技術があった方がいいだろうということで医学部と歯学部を目指し、結果的に歯学部に進学しました。当院は、この場所でもう70年以上。もともとは主人の実家だったんです。もう亡くなってしまいましたが、私が3代目で副院長の息子が4代目になります。地域密着型のクリニックですので、まだ歯が生えそろわない赤ちゃんから100歳の方まで幅広く来院いただいています。

口腔外科疾患から訪問診療まで幅広く対応

むし歯や歯周病といった一般的な歯科の領域はもちろんのこと、私は自分の専門である口腔外科の疾患をメインに診させていただいています。顎関節症の各種症状の診療や難しい症状の抜歯のほか、他院から紹介された外科的な手術が必要な口腔外科的な疾患などに対応しています。副院長は、かぶせ物や入れ歯などの補綴（ほてつ）治療が専門です。お互いの専門性を活かしながら治療を行っているのも当院の強みですね。私も息子の専門分野に関しては相談しますし、意見交換しながら患者さんにとってよりよい治療を提案させていただいています。また、地域の歯科医師会が住民向けに行う口腔がん検診や訪問診療も行っています。

全身の状態を把握して治療に

最近は全身疾患との関連性、患者さんの全身の状態を把握して治療の方針を決めるように心がけています。高齢になってくると姿勢が悪くなったり、全身が傾いてしまうこともありますが、お口を健康にするとそれがよくなることもあるんですよ。お口のなかに原因が隠れていることもありますから、それを早い段階で見つけて、定期的なメンテナンスに通っていただけるようにお声がけしています。また、糖尿病や心臓の疾患を持っている患者さんだと凝固剤などの問題が歯の疾患につながることもありますし、合併症を数多く持っていらっしゃる患者さんだと治療が難しいことも。そういったところも考慮しながら対応するようにしています。そのうえで、大きい病院に行かないとダメだということであれば、信頼できる先生をご紹介しますので、まずはご相談していただけたらと思います。

成長期の子どもの噛み合わせにも

お口の健康と全身の状態というのは、すごくつながっています。特に発育成長期のお子さんで片側だけの歯で噛んでいるという子は、だんだんと姿勢が傾いてくるんですね。あとは、無意識のうちにギリギリと歯ぎしりをしていたり、片側でずっと頬杖をついていたりする子も多いですよね。そういったことで噛み合わせが変わってきますので、診察時に気付いたことがあればお伝えして、普段の生活で注意していただくようにしています。学校の検診などにも伺いますが、そこで顎関節症になりそうだなと思う子も多いんですよ。症状はないけど、このままだと危ないなという子もいるので、気になることがなくても一度チェックすることをおすすめします。

オーラルフレイル対策の口腔体操も

高齢の患者さんも増えていますので、近所の方には認知症対策についてのお声がけもしています。老化のサインと呼ばれるオーラルフレイル（噛んだり、飲み込んだり、話したりする口腔機能の衰え）対策のための口腔体操“ぐーぱーぐるぐるごっくんべー”というものがあるので、それを皆さんにお伝えしたりしています。神奈川県は、オーラルフレイル対策について率先して運動を広げていることもあって、御年配の方も熱心にやってくださいますね。地域密着の歯科医院です。お口のなかのことで悩みごとがあれば、お気軽に相談してください。

※上記記事は2023年7月に取材したものです。
時間の経過による変化があることをご了承ください。