羽田 宣裕 院長(愛児の会デンタルクリニック)のインタビュー

愛児の会デンタルクリニック 羽田 宣裕 院長

愛児の会デンタルクリニック 羽田 宣裕 院長 NORIHIRO HADA

神奈川県出身。日本小児歯科学会認定医。父の後を継ぐ形で小児歯科専門の「愛児の会デンタルクリニック」院長に就任。(各線 横浜駅西口より徒歩約6 分)

小児歯科に特化したクリニック

愛児の会デンタルクリニックは、父親が開院したクリニックです。早くに亡くなったので、大学を卒業してわりとすぐに跡を継ぐことになりました。当初は一般の歯科だったんですよ。でも、このビルにはほかに2つ歯科医院があるので当院は小児歯科に特化しようと。当時はまだ小児歯科が保険外で自費だった時代。小児歯科専門のクリニックというのはかなり特殊だったと思います。私が継いでからはもう50年近くが経ちました。小さいころに当院に通っていた患者さんが、お子さんを連れてくることも多いですね。

小児歯科も治療から予防へ

かつてお子さんを診てくれるところがなかった時代、昭和50年代半ばごろは本当に忙しかったですね。私含めて3人ドクターがいましたが、1人30人、1日100人近く来院いただいていたかと思います。ですが、そういった時代を経て今は小児歯科も治療より予防が一番という時代に。私自身、歯科ほど予防が適した医療はないと思っています。歯ブラシの使い方や食べ物、生活習慣がきちっとしていればむし歯にもならないわけですから。治療から予防へ。ずっと続けてきた啓もう活動が最近はやっと実を結んだのかなとも思っています。

嫌がらずに診察室へ来てくれるように

当院は初診で1~2時間。通常の歯科医に比べると、かなり長く時間を取っていますが、それは初対面の時間を一番大事に考えているからです。特に小さいお子様の場合、まずは、待合室で保護者の方とどんな風に過ごしているのか。甘えん坊の子もいれば、活発に動き回る子もいます。その様子を受付スタッフに聞き、その後、保護者の方にスタッフが問診。このときに一緒にお話が聞けなくてもいいんです。小さいお子様は衛生士と遊んでいても、お母さんが笑いながら話をしているのを見ることでお子さんは安心しますから。そうやって些細なことからデータを集めて、ようやく診察室に。ここで、お子さんがまだ遊ぶというならスタッフと遊んでもらうこともありますね。その間にもう一度お母さんとお話をして、私のことを「この人は味方だ」と思ってくれる。そして、治療だけでいいのか。長期的に歯をしっかりと診てほしいのか。そういったところを改めて聞き、お子さんが落ち着いたところで「じゃあ、お口の中をみましょうね」となります。

むし歯の治療を優先してしまうと「怖い」になってしまいますから、まずは嫌がらない状態を作ることが一番。年齢や性格、精神面を踏まえて、その子にあった予防、治療を行います。保護者の方にも「この子に特化した話をしてもらえてよかった」と思ってもらいたいですから。かつて歯科医の先輩から「予防と言っても自分のところに来たときに一生懸命磨いてもらっても仕方がない。家に帰って毎日ちゃんとできるかどうか。それができればいくらでも安いと思ってもらえる」という言葉をもらったことがあるんです。そういう意味では、満足してもらえるかどうか、というところも大事にしていますね。

20歳くらいまで長期間じっくりと

近年は妊婦検診もあり、生まれる前からいろいろとやっておくべき時代なのかなと思いますが、生まれてすぐはいろいろ大変なこともあるでしょう。1歳半検診で指摘されて、と来院される方が多いですね。そこから20歳くらいまでは当院で対応させていただいています。永久歯が生えそろうのが大体中学校くらいで、そこからかみ合わせや矯正の問題が出てきたりするので、本当にきちっと安定するのは20歳ごろかなと。最近はちょっとむし歯が増えているなという感覚もありますね。その次に歯並び。小さいうちから、こういう状態だからこうしましょう、ということをしっかりと長期間診ていくことが大事だと思っています。お子さんの歯は短期でどうにかなるものではありませんから。長期的に通っていただけるように心がけています。最終目標はお口の正常な機能と形態です。それが健全な身体、精神に繋がると信じています。

白衣ではなくアロハシャツで親しみやすく

当院は、私も含めてスタッフみんなアロハシャツです。ハワイで学会などに参加するとみんな白衣なんて着てないんですよね。カラフルなシャツでカジュアルなドクターばかり。それを見て、「じゃあ、うちはアロハにしよう」と、ハワイでたくさん買い込んで(笑)。医療のイメージはあまりないかもしれませんが、お子さんには怖がられないんじゃないかなと思っています。慣れると遊びにくる感覚でやってくるお子さんも多いですよ。過去、歯医者嫌いでどうしようもなかった子が定期的に通えるようになって、当院を卒業したあとに「先生、歯科大学に入ったよ」と報告に来てくれたこともありました。それはうれしかったですね。今できることを少しずつ治療していくことも大切にしています。どうしても今やらなくちゃいけないことは多少嫌がってもやりますけど、先送りできることはちょっとずつでいいと思うんです。しっかりと説明すれば、子どもたちもわかってくれますから。お子さん一人ひとりとじっくりと向き合っていますので、お子さんの歯のことで困ったことがあったらいつでもご相談ください。

 

※上記記事は2023年9月に取材したものです。
時間の経過による変化があることをご了承ください。

愛児の会デンタルクリニック 羽田 宣裕 院長

愛児の会デンタルクリニック羽田 宣裕 院長 NORIHIRO HADA

愛児の会デンタルクリニック 羽田 宣裕 院長 NORIHIRO HADA

  • 出身地: 神奈川県湯河原町
  • 趣味: 散歩
  • よく読む本・愛読書: 時代小説
  • 好きな音楽: クラシック、最近は古い歌謡曲もよく聴きます
  • 好きな場所: 多摩川の岸辺

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