松浦 真吾 オーナー(405 COFFEE ROASTERS(ヨンマルゴ コーヒロースターズ))のインタビュー

405 COFFEE ROASTERS(ヨンマルゴ コーヒロースターズ) 松浦 真吾 オーナー

405 COFFEE ROASTERS(ヨンマルゴ コーヒロースターズ) 松浦 真吾 オーナー SHINGO MATSUURA

静岡県出身。飲料メーカーで商品開発、マーケティングに携わり25年間勤務。退職後は半年間、渋谷区で知人の経営するレストランの一角を間借りして焙煎とコーヒーを淹れる経験をつみ、世田谷区奥沢で5年間コーヒー専門店を経営。2018年「405 COFFEE ROASTERS」を開店。(相鉄本線「西横浜駅」から徒歩10分)

飲料メーカーの商品開発に携わる中でコーヒーの資格を取得

以前は飲料メーカーに勤めていて、商品開発やマーケティングに長く携わっていました。コーヒーが主力のメーカーだったため、商品開発に活かすために、仕事の一貫としてコーヒーインストラクターの資格を取得しました。まず、そこでコーヒーに対する意識が大きく変わりましたね。これが良い、悪いだけじゃなくて、コーヒーというものに対して興味や知識を持って仕事ができるようになったのは大きかったです。そこからプライベートでも、自分でコーヒーを淹れたり、コーヒー専門店を巡り歩いたりするようになりました。会社の早期退職制度を活かして区切りをつけ、開業に向けて動き始めました。

世田谷区でコーヒー店をやってきて気づいた商店街や人の魅力

住まいは横浜市西区でしたが、まずは渋谷区で知り合いが経営しているレストランの一角を間借りしてコーヒーの焙煎や淹れる練習をしながら、開店準備をしていました。横浜から渋谷に通っているうちに、やはり東横線はいいなと思って物件を探し、自由が丘のすぐ隣の奥沢で開店し5年数か月お店を営業しました。その界隈はコーヒー激戦区で、店をオープンすると「またコーヒー屋さんが出来た」とよく言われました。さらに歩いて数分圏内にその後もどんどん新店が出来るんです。常に競い合って商売している感じでじっくりコーヒーと向き合う余裕がない。それなら通勤も楽になるし、家の近くの商店街の中で腰を据えて開業してみてはどうかと思い始めたんですね。というのも、奥沢のお店のすぐ裏に商店街があって、そこを行き交う人たちの様子を見ていいなと思って。まっすぐに目的の店を目指して行くのとはまた違って、商店街を歩きながら、なんとなく気持ちに合ったものを買い求める、というような雰囲気やお客さんの購買行動に魅力に感じていました。

都内で営業していた時は、素敵なんだけど、どこか気を張った街や人々の雰囲気を感じていたのですが、このあたりはとても自然体な方が多いですね。都内からこちらの方が落ち着いていて良いと、店の近隣に引っ越してこられる若い方も多くいらっしゃいますよ。

日々、お客様と接している中でご縁が生まれる瞬間がたくさん

この店や商店街の雰囲気だと、結構お客様同士で会話が生まれやすいみたいです。ワンちゃん連れやお子様連れのお客様も多いんですが、コーヒーを飲まれながら自然にお話されています。長く接客業をしていると、なんとなく、「このお客様はこの方と合うんじゃないかな?」とか、「繋がると面白いんじゃないかな」という勘が働くんですよ(笑)。そうして、ここでご縁が生まれたこともたくさんあります。コーヒーにもそういう力があるかもしれませんね。お店をやってきて忘れられない交流はたくさんあります。近くの市民活動センターでコーヒーの淹れ方教室を開催したことがあって、そこに参加されたOLさんがそれをきっかけに、他の参加者の方たちと縁ができ、ご自身のニックネームで様々なイベントにコーヒーで出店するようになったんですよ。会社のお休みのほとんどを使って出店されているくらいの熱心さで、そうしてコーヒーを好きになって活動の幅を広げておられる姿を見るととても嬉しいです。

コーヒーの奥深さを気軽に楽しんでいただきたい

なるべく価格帯は抑えめにして、初めての方でもコーヒー豆を選びやすいように酸味や苦みで分けたチャートをベースにしたメニューにしています。店づくりも最近続々とオープンしているコーヒーショップのようにお洒落にしすぎると年配の方が利用しにくいとか、お客さんを絞ってしまうことになりかねません。そうではなくて地域の方がふらっと気軽に立ち寄れるお店づくりをしたいな、と思います。コーヒーは奥深いものですが、追求するあまりマニアックにしてしまうと、お客さんを限定してしまう。それは自分の目指すものとはちょっと違うな、と思うんです。

コーヒーブームの中で自然体であることを大事に

今はまさにコーヒーバブルのような状況になっていると思います。そんな背景の中で、いつの間にか事業を大きくすることが目的となる店もありますが、自分はあまり興味がないです。そこに向かうと本来の大事なことがおろそかになってしまうことが多々あります。例えば、焙煎後の欠点豆のハンドピッキング作業を日々やっていますが、有名になって量が増えてくると、そういう基本的な作業をしないでそのまま販売するという実情をよく見かけます。また、元々ホスピタリティが良かったお店でも、いろいろなお客さんに接するうちに疲弊してきて、無意識で接客に差をつけてしまう、ということもなんども見てきました。そういうシーンに直面すると、自分は気を付けなくては、と気持ちが引き締まりますね。

コーヒーに詳しい方はもちろん、そんなに詳しくないけどコーヒーが好き、これから始めてみたいという方も、豆の選び方や淹れ方などなんでも気軽にご相談ください。お待ちしています。

 

※上記記事は2023年10月に取材したものです。
時間の経過による変化があることをご了承ください。

405 COFFEE ROASTERS(ヨンマルゴ コーヒロースターズ) 松浦 真吾 オーナー

405 COFFEE ROASTERS(ヨンマルゴ コーヒロースターズ)松浦 真吾 オーナー SHINGO MATSUURA

405 COFFEE ROASTERS(ヨンマルゴ コーヒロースターズ) 松浦 真吾 オーナー SHINGO MATSUURA

  • 出身地: 静岡県
  • 趣味: 車全般、F1観戦
  • 好きな本: コーヒーに関するもの
  • 好きなドラマ: 和洋韓なんでも見ます
  • 好きな言葉: 等身大で正直に生きる
  • 好きな音楽: 70~80年代洋楽
  • 好きな場所: 海

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