ウイスキーバー シャンティーシャック(WhiskyBar ShantyShack) 倉持 重幸 オーナー・バーテンダー SHIGEYUKI KURAMOCHI
父親の家業・白黒写真専門の現像所の手伝いをしながら世界中を旅する。約2年間のバーテンダーの経験を経て、現像所を改装し2005年「WhiskyBar ShantyShack(ウイスキーバー シャンティーシャック)」を開業。
父親の家業・白黒写真専門の現像所の手伝いをしながら世界中を旅する。約2年間のバーテンダーの経験を経て、現像所を改装し2005年「WhiskyBar ShantyShack(ウイスキーバー シャンティーシャック)」を開業。
昔はあまりお酒を飲むことがなかったんです。でも、もともと会話で人を楽しませたり、何かを作って提案したり、クリエイティブなことをするのが好きだったんです。ある日、知り合いが経営するバーで、アルバイトを募集していると知って飛び込んだのが私のバー人生の始まりでした。今考えると、勢いでよくやったなと思いますが、だんだんとお酒の世界に魅了されていきました。
ここは父が経営していた、白黒写真専門の現像所でした。その建物を改装してバーにしたんです。山小屋をイメージし、どこか温もりを感じる空間にしています。父親がアンティークやヴィンテージの家具、雑貨の コレクターだったので、そういうモノに囲まれて育った影響で、私も空間をつくることが好きなのかもしれません。海外から買い付けたものを「ここに飾ろう」「ちょっと配置を変えてみよう」と、お店の空間を育 てるのが好きなことも、このバーを20年近く続けてきた理由の一つでもあると思います。
今はウイスキー専門のバーですが、開業した頃はカクテルやその他のお酒も幅広く提供していました。ただ 足を運んでくださるお客様は、2軒目、3軒目としてゆっくりウイスキーを飲まれることが多かったこともあって、もともと興味があったウイスキーを専門に突き詰めたいという想いが大きくなってきました。いざウイスキーの世界に足を踏み入れると、ウイスキーについて知らなかったことが多く、そんな未知の世界がとても面白くなってきたんです。この業界には輝いている人たちがたくさんいて「素敵だな、自分もやってみたい」と憧れました。そうしてウイスキーに夢中になり、ウイスキーの本場スコットランドの蒸留所にも訪れ、製造工程や歴史など、色々なことを肌身で学びました。
ウイスキーは木製の樽で熟成するお酒で、その熟成期間中にスピリッツが空気や樽材と複雑な反応を起こし、 様々な香りや味わいが生まれてきます。3年、5年、10年・・・。20年、30年というとても長い期間、樽の中で眠っているウイスキーも存在します。私はそうした「時間」や「熟成」というものにロマンを感じます。そしてまた次の世代に受け継がれていくことも素晴らしいと思います。ただ、ウイスキーのイメージとして、若い世代はあまり飲まない、クセがある、値段が高そう、などのイメージをもたれている方が多いかもしれませんが、決してそうでもありません。香りや味わいも本当に色々なタイプがありますし、ご予算を伝えていただいても良いですし、どんなことでも聞いていただけたら私もオススメしやすくなります。そうした対話もそうですが、ウイスキーには不思議と人と人を繋ぐ力があると思っています。ウイスキーがあることで共通の認識が生まれ、お客様同志で会話が自然と深まることがあります。以前、お客様から「このお店に来なかったらウイスキーをここまで好きにならなかった!ありがとうございます!」とおっしゃっていただいて、人生を変えるくらいの影響があったことをとても嬉しく感じました。
この店は駅から少々離れた住宅街にあり、開業した頃は認知されるまで本当に時間がかかりました。当時を思い出すと辛い(笑)。今でも「気になっていたけど入るまでに時間がかかった」「何故こんな場所で?」などと言われることがよくありあます。少々不便な場所かもしれませんが、今はこの静かな暖かい空間でゆっくり時間をかけてウイスキーを楽しんでいただきたいと思ってます。ここ数年では遠方や海外からのお客様がわざわざ足を運んでくださることも多くなりました。場所が場所だけに少し勇気がいるかもしれません。しかし、このような雰囲気のバーは他には中々存在しないと自負しております。ウイスキーがお好きな方からビギナーさんまで、少しでも興味がありましたら是非、シャンティーシャックの扉を開けてみてください。
※上記記事は2024年4月に取材したものです。
時間の経過による変化があることをご了承ください。
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