岡本 政道 院長（アポロ歯科医院)のインタビュー

歯科医の祖父と父の背中を身近で見て育った幼少期

実家のある川崎市で祖父と父が歯科医をしていました。自宅兼診療所だったので、二人の働いている姿を身近に見て育ちました。子供心に「かっこいいなぁ」と感じていましたね。僕が小学生高学年の頃に祖父は亡くなったのですが、二人の影響は大きかったと思います。家族からは「自由にやりたいことをやりなさい」という感じでしたが、自然と歯科医師に興味を持ち、偶然、祖父と父の出身大学を通りかかった際に、なんとなく友人と入ってみました。その当時他にもなりたい職業がいくつかありましたが、ちょうど白衣を着た学生が歩いているのを見て、直感的に「ここで学びたい」と感じ、歯科医師の道を目指すという気持ちが決まりました。

当時90歳代の患者様が新人だった自分に大がかりな治療のご依頼・真摯に向き合う

勤務医時代に、90歳代の患者様がいらっしゃり、入れ歯のご相談をされる機会がありました。そこで、保険内診療と自由診療も含めて様々な選択肢を説明させていただいたところ、その時、僕が歯科医になってまだ間もないことをご存知の上で、自由診療で入れ歯をどうするか任せてくださいました。その方の「期待と信頼を裏切ってはいけない」と思い、治療方法について色々な先生に聴きながら、最善と思う方法をご提案した結果、患者様にとって満足度の高くいいものが作れたことは忘れられない思い出です。その後も、ご高齢で移動が大変になっても、僕に見てほしいとご本人のご希望があって、ご家族がわざわざ連れてきてくださってお付き合いが続き、患者様に真摯に向き合うことの大切さを学ぶことができました。

自分のできること・できないことも客観的に「患者様のベスト」を多角的に考察

保険診療をベースにしながらも自由診療も幅広く行っています。治療に際しては、その患者様に合ったベストな治療をしっかりご説明し、同意を得た上で治療に入っています。治療精度を高めるために倍率6倍のサージテル（高解像ルーペ）、最大20倍まで拡大できる歯科用顕微鏡マイクロスコープを併用して治療をしています。何がベストかを考え、自分のできる範疇を超えることがあれば、より専門性の高い医院と連携して診ていくことも選択肢に入れます。

治療の前の対話を大事に・信頼関係の構築がいい結果を生み出す

自分が小さい頃に治療をされて痛くて怖い思いをしたことがあったので、自分が歯科医師になったら、まずは患者様が安心して受けていただけるように取り組もうと思っていました。小学生から高齢者まで幅広い年代の方が当院にいらしてくださっているので、おひとりおひとりの状況やお悩みをきちんと聞き、治療の説明をしています。特にお子様に関しては、初めての歯医者という場合も多いので、まず対話をし、歯医者に慣れてもらうところからゆっくり始めています。緊急性がある治療は別として、時間をかけて信頼関係を築きたいと考えています。治療はお互いにに信頼関係が無いと、いい結果が生まれにくいですよね。お互いの信頼関係を構築することは、治療する上で大事な要素だと思っています。

歯の健康を守ることは健康寿命・全身の健康に繋がるからこそ

お口の中の健康を守ることが全身の健康にも繋がっているんですね。そのためにも、症状が悪くなる前に、自覚症状がなくても定期的に検診を受け、予防していくというのは大事な考えです。「どこも痛くないのになんで歯医者に行かないといけないの？」と思われることもありますが、予防の大切さ、定期健診の重要性を来院される方にしっかり説明することを心掛けています。「食べること」は生きていく上で大きなウェイトをしめていますよね。僕も美味しいものを食べることが大好きなのですが、しっかり自分の歯で噛んでお食事を美味しく味わうことは、人生の中でも豊かな要素ですから。来てくださった患者様の健康寿命を長く伸ばすことを考えながら日々、治療に取り組んでいます。歯のことでしたらどんなことでもご相談いただければと思います。

※上記記事は2023年8月に取材したものです。
時間の経過による変化があることをご了承ください。